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硬水
硬水は、主にカルシウム(Ca)およびマグネシウム(Mg)の二価金属イオンが水中に多く存在することで特徴づけられる水の性質です。これらのイオンが水に溶け込むことによって硬度が高くなります。硬水は一般的に、カルシウムおよびマグネシウムの二価イオン濃度が100 mg/L以上である水を指します。
以下に硬水について詳しく説明します。
●硬水の成因
a.地下水の浸透: 地下水が岩石や土壌中を浸透する際、カルシウムやマグネシウムを含む鉱物が溶け込んで水に溶解します。
b.岩盤の組成: 地域ごとに地下水の硬度が異なるのは、その地域の岩盤の組成に依存します。カルシウムやマグネシウムを多く含む岩盤がある地域では、地下水もそれらのイオンを多く含む傾向があります。
●硬水の種類
a.炭酸カルシウム硬度: 水中のカルシウムとマグネシウムの中で主に炭酸カルシウム(CaCO3)として存在する硬度を指します。主に二酸化炭素が影響を与えます。
b.非炭酸カルシウム硬度: 炭酸以外の形で存在するカルシウムおよびマグネシウムの硬度を指します。
●影響
a.配管や機器への影響: 硬水は、配管や機器内にスケール(水垢)を形成しやすくこれが詰まりや損傷の原因となります。
b.洗濯や清掃への影響: 洗濯や清掃に硬水を使用すると洗剤の効果が低下し洗濯物や表面に白い残留物(スケール)が残ることがあります。
●軟化処理
・硬水を軟化するためにイオン交換樹脂や軟化剤を利用してカルシウムおよびマグネシウムイオンを除去します。これにより配管や機器へのスケールの形成が抑制されます。

硬水は、水道システムや日常生活に影響を与える重要な要素であり適切な処理が必要です。硬水の量と種類に応じた処理を行うことで水道システムの効率や機器の寿命を向上させることが可能です。

飲料水における硬水の基準値について
飲料水における硬水の基準値は、主に水に含まれるカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの濃度を基にしており、これらの成分が過剰に含まれている場合、硬水として分類される。一般的に硬度の単位はmg/L(ミリグラム・パー・リットル)で表され、硬度が高いと水の飲用に適さないとされる場合がある。日本における飲料水の基準値では、硬度が300mg/L以下であることが推奨されており、この値を超えると飲用において不快感を与えることがある。具体的には、硬水にはカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれており、これらの成分が多すぎると水が飲みにくく感じられるほか湯沸かし器やポット、配管などに石灰質が付着して設備の劣化を早める原因となる。さらに硬水は、赤ちゃんや高齢者、腎臓疾患を持つ人々にとっては、飲用に際して注意が必要な場合がある。高硬度水は体内にカルシウムを供給することがある一方で、過剰摂取が懸念されるため、特に成人以外の利用者に対しては摂取量に配慮した水質基準が求められる。加えて、硬水は味に影響を与えることがあり、カルシウムやマグネシウムの濃度が高い水は、味が濃く感じられ、飲みやすさが損なわれることがある。このため硬水が飲料水として使用される場合、規制機関は適切な基準を設けて水質を管理し、消費者にとって飲みやすく健康に配慮した水供給を行うことが求められる。水道水に関しては、世界保健機関(WHO)などの国際機関でも硬度に関する基準が設けられておりWHOでは硬度の目安として、飲用水が100~300mg/Lの範囲に収まることが推奨されている。日本国内でも水道水の硬度は地域ごとに異なる場合があり、例えば一部の地域では硬度が非常に高い水源を使用しているため地域別に水の硬度基準を細かく管理する必要がある。また、硬水の基準値に関しては、浄水技術の向上により処理水に対する基準も見直されることがあり加熱処理や化学処理を行うことによって硬度を調整することが可能となっている。家庭用の浄水器などでは、硬水を軟水に変えるためのフィルターや交換カートリッジが販売されており、これを使用することで飲み水の硬度を調整することができる。最終的に飲料水の硬度基準は、飲用の安全性と品質を確保するために重要な要素であり各国や地域ごとに適切な基準を設けることで健康に配慮した水供給を行うことが可能となる。



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